お役立ちコラム
特例子会社は 「障がい者雇用対策の切り札」なのか?
厚生労働省の最新調査(令和2年障害者雇用状況の集計結果)によれば、民間企業が雇用する障がい者の数は過去最高を更新し、雇用が拡大しています。
そんな中、2020年6月現在の特例子会社の数は542社で、前年より25社増えています。
障がい者の雇用拡大の要因の一つとして特例子会社による雇用増も考えられますが、雇用対策として特例子会社設立という手法を選択する企業が増えている中、今回は特例子会社の概要と設立することのメリットについてご紹介します。
「特例子会社制度」
障害者雇用率制度において、障がい者の雇用機会の確保は個々の事業主ごとに義務づけられています(法定雇用率)。
その特例である「特例子会社」制度は、障がい者の雇用の促進及び安定を図るため、事業主が障がい者の雇用に特別の配慮をした子会社を設立し、一定の要件を満たす場合には、その子会社に雇用されている労働者を親会社に雇用されているものとみなして、実雇用率を算定できることとしています。
社数の推移
・令和2年6月1日現在、特例子会社の認定を受けている企業は542社。
前年より25社増で、雇用障がい者の数は38,918.5人。
・平成16年6月1日では特例子会社の認定を受けている企業は153社、雇用障がい者数は4,186人だったので、直近16年間で社数にして約3.5倍、雇用数で約9.3倍と非常に大きな伸びを示しています。
設立することのメリット
では、特例子会社増加の背景とも考えられる「企業にとってのメリット」について考えてみましょう。
- ○ 障がいの特性に配慮した仕事の確保や職場環境の整備が容易になり、これにより障がい者の能力を十分に引き出すことができる。
- ○ 職場定着率が高まり、生産性の向上が期待できる。
- ○ 障がい者の受け入れに当たっての設備投資を集中化できる。
- ○ 親会社と異なる労働条件の設定が可能となり、弾力的な雇用管理が可能となる。
続いて、特例子会社で働くことの「障がい者にとってのメリット」を考えてみます。
○ 障がい者に配慮された職場環境の中で、個々の能力を発揮する機会が確保される。
このように、企業にも働く障がい者にもメリットのある特例子会社ですが、一般の企業とは異なった設立要件もある中、新たに会社を立ち上げるのはそう簡単にはいかないのも事実です。
当社では、障がい者の「チーム雇用」をサポートするサービス『ソーシャルオフィス』を展開しています。
現在では30社以上の企業様に導入いただいておりますので、将来的な特例子会社設立を見据えたステップとしても、ぜひご検討ください。