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【用語解説】易疲労性(いひろうせい)とは?【障がい者雇用に関する用語集】

疲労の感じ方には個人差があります。

疲労感が蓄積されて、肉体的にも精神的にも大きなストレスになっていても、本人はそれを疲労と認識できない、ということもあります。
また、周囲から見てもその人物が「疲労していると思えない」「疲労するほどの労働をしていない」と感じる場合でも、本人は多大な疲労を抱え込んでいる場合もあるのです。

疲労を抱えている本人もその疲労を言語化して伝えることが苦手ということもあります。

通常、「これくらいで疲れるはずがない」「この程度で疲労は溜まらない」という判断がされる場合がありますが、
周囲よりも疲れやすい体質を「易疲労性(いひろうせい)」と呼びます。

脳の機能低下や損傷など、高次脳機能障害(こうじのうきのうしょうがい)の症状をもっている方は
通常よりもエネルギーの消耗が激しく、五感の使い方などにも特徴があるため、非常に疲れやすいとされています。

 

就労時にも、

・同じ体勢を維持することがつらい
・眠気に襲われる
・イライラしやすい

などの症状が多く報告されています。

 

ほかにもそれぞれ個人差がありますが、多く報告されている例として、

・頭痛
・めまい
・目の痛み
・神経疲労
・集中力の持続が難しい
・ぼんやりする
・あくびが出る
・疲労感で動きが止まる
・長時間の座っていられない
・寝転がりたがる
・機敏な動きができない
・自分が請け負っていることで手一杯になる
・みずからが疲れていることに気づかない
・余裕がない etc…

などの症状が報告されています。

 

易疲労性に関する基礎知識がない場合、これらの症状を訴えても、
「怠けている」「気が緩んでいる」「みんな我慢している」などと勘違いをされることが多いです。

【関連する主な疾患】
易疲労性が症状の一つとされる疾患としては以下のような例が挙げられる。
■うつ病等の精神疾患
■筋・神経疾患
■貧血
■甲状腺機能低下症

(引用:易疲労性 | 看護師の用語辞典 | 看護roo![カンゴルー])

肉体的疲労がなさそうな場面でも疲労を訴えることもあり、身体をあまり使っていなくとも、認知機能の疲労から全身疲労に繋がるパターンもあります。

疲労を感じているのに作業を続けても成果があがらず、本人の負担も甚大なものになりますので、
一時休憩を入れる、休息を取る、仕事を分割するなどして、
疲労感を覚えたら一度作業から離れて体力と精神力を休ませ「充電」し、回復を待つことが最良の選択といえます。

 

そのためにも、まず周囲の理解が必要です。

「神経疲労」という目に見えづらい疲労感があることへの理解。

疲労を感じたら休憩できる環境づくり。
ストレッチなど、個人でできる疲労感の克服を取り入れる。
などの方法で易疲労性と向き合っていくことが大切です。

 

易疲労性は脳機能障害のみならず、「悪性腫瘍」「呼吸器疾患」「心疾患」「神経疾患」などの深刻な疾患が背景に隠れていることもありますから、くれぐれも無理は禁物です。

あまりに易疲労性がひどくなる場合には病院の受診が必要です。
また、薬との相性で副作用が影響している場合もありますので、この点も注意してください。

当人にしかわからない症状が多い易疲労性という神経疲労について、社会的理解を深める必要があります。