お役立ちコラム
「発達障がい」の特徴と関わる際の工夫について
「発達障害」とは?
広汎性発達障害(自閉症、アスペルガー症候群等)、学習障害、注意欠陥・多動性障害等、通常低年齢で発想する脳機能の障がいのことを言います。
通常発達障害は幼児・児童・青年期に快方に向かうものが多いですが、今回はその中でも青年・成人期にも持続する広汎性発達障害と注意欠陥多動性障害について、また発達障害の方が併せ持つことの多い感覚の特性について紹介いたします。
広汎性発達障害について(自閉症、アスペルガー症候群等)
広汎性発達障害の特徴
①社会性の難しさ…人との社会的な相互関係を築くことが苦手
②コミュニケーションの難しさ…他者との言葉等のやり取り(理解と表出)の難しさ
③興味・関心の狭さ、偏り(イマジネーションの難しさ)
併せ持つことの多い特性
・感覚の偏り(敏感、鈍麻、平衡感覚不全)
・不器用さ(発達障害強調運動障害)
・睡眠の以上・過集中・記憶力
かかわるときの工夫
- ・落ちつける環境を作る
- ・具体的かつシンプルな言葉で
- ・視覚的にわかる伝え方を
- ・活動の区切りを明確に
- ・すでにある興味関心を他のことに取り込む
- ・人とのかかわり方を教える
- ・自分の気持ちの表現の仕方を教える
- ・パニックには冷静に対応
広汎性発達障害の特性を良い方向に考えると「自分のペースをブレずに守る」、「一つのことをコツコツと集中して行うことができる」という長所として見ることができます。
自閉スペクトラムの特性を生かすことができる仕事に就くことで、今の社会になじむことができる可能性もあります。
注意欠陥・多動性障害について(注意欠如・多動症:ADHD)
注意欠陥多動性障害の特徴
①不注意(忘れっぽく集中できない)
・注意の持続ができない
・うわの空でぼんやりしてしまう
・忘れ物・なくしものが多い
②多動性(じっとしていられない)
・手足をソワソワ動かす
・しゃべり続けてしまう
③衝動性(考える前に行動してしまう)
・相手の応答を待たずにしゃべる
・順番を待つ、我慢することが苦手
・思ったらすぐ行動に移してしまう
かかわるときの工夫
①不注意への配慮
刺激を少なくする
スモールステップで
②多動性への配慮
動いてOKの時間を設ける
体を動かせる役割を設定する
③衝動性への配慮
おおらかな気持ちで焦らずに
思い出し・気づかせる言葉かけを
待つことの大切さを教える
その他不安定な情緒面への配慮
注意するときは1対1で
成功体験を増やす
注意欠如、多動性障害(ADHD)の中で多動性と衝動性の傾向が強い人は、物事の優先順位が分からないことがある、落ち着いてじっと座っているなどのことが苦手である、 衝動的な発言や行動をすることがあるといった特徴があります。
しかし、このような症状は時に多動性が「高い活動性」、衝動性が「優れた決断力や発想力」として 周囲に評価されることもあるため、特性を生かせる環境を作ってあげることが大切です。